2022年08月25日

■ヘルニアと食餌【小野池ペット栄養管理士】vol.24

またまたご無沙汰しております。8月も下旬になってしまい、少しですが日差しがそれほど強くない日も増えてまいりました。もう秋の気配すら感じるこの頃です。

さて、先日ヘルニアのワンちゃんから、ご相談がありました。
その時の回答になりますが、ブログでご紹介させて頂きます。

ヘルニアの原因は、運動不足と体重増加がほとんどと言ってよいのですが、ダックスやコーギーのように胴長の子は背骨に負担がかかりやすいので、背骨を支える筋肉がしっかりしていないと、だんだん歩くことも出来なくなってしまいます。とはいえ、ヘルニアのワンちゃんにいきなり激しい運動は出来ませんので、ストレッチやお腹のマッサージ、ゆっくりとした散歩の時間を掛け、有酸素運動をして頂くとよいと思います。また、浮き輪を付けての水泳も良いです。

背中に問題がある場合、人間も同じですが、お腹の緊張や不具合から来ています。
お腹にある筋が硬くなっていないか、優しく触って確認をして、日頃からマッサージなどをしてあげてください。

食餌は鹿肉でしたら、低カロリーで体重の管理に役立つ食材です。更に、鹿肉自体が薬膳にも使われていて、身体を温めて血行を良くしてくれます。障害のある場所の血流が良くなると、いろいろな身体の不調が改善します。そして何よりも、関節や骨の形成にはコラーゲンが重要なのです。鹿商品の中でもコラーゲン豊富な「コラーゲン皮ガム」は、歯の健康にも良く吸収しやすいコラーゲンがたっぷりです。その他コラーゲンを含む商品としては「背筋ガム」「アキレス」などがあります。

他に、カルシウムやビタミン類、タンパク質、アミノ酸などが多く含まれる食品を意識して与えてください。
鹿の「肉」や「骨ごとそぼろ」「内臓ミックス」を与えることで、これらの栄養素を手軽に摂取できます。

炎症を抑えるビタミンCはもちろん、肉類全般に含まれるビタミンB群は、ヘルニアの治癒を促し、糖質や脂質を燃やしてエネルギーに変えてくれるので、ぽっちゃり運動不足のワンちゃんに日頃から与えたいビタミンと言えます。疲労回復、神経の働きを正常に保ち、皮膚や粘膜を保護、細胞の再生を助ける働きもあります。

また、ビタミンB群の一つにナイアシンというのがあり、これもまたエネルギーを産生する酵素を補助する働きがあります。他にもビタミンB群のパントテン酸は、糖質、脂質、タンパク質の代謝とエネルギー産生に必要な酵素を補助する役割があり、自律神経を正常に維持してくれます。
ビタミンB群は、タンパク質の分解を促し、葉酸と一緒に摂ることで貧血予防に役立つ、もの凄い働き者のビタミンです。

そして、【与えてはいけない食べ物】もあります。
甘い物です。もしも飼い主さんが少しでも与えているようなら、果物も含め、しばらく止めてください。また、麺類、白米、パン類といった炭水化物も与えないでください。

暑くて湿度の高い日本の夏は、海外原産の動物達には本当に苦しい季節と言えます。
夏の疲れを残さないように秋を迎えるためには、ビタミンB群、ビタミンCの水溶性ビタミンをしっかり摂っておくのが元気の秘訣かも知れません。

秋に向けて今からダイエットと、栄養バランスの食餌を意識して元気に過ごしてください。

注)無断転記・無断転用禁止。この内容を個人のペットの食餌作り以外に使用することはご遠慮ください。

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小野池智香

ペット栄養管理士 小野池 智香

愛玩動物飼養管理士1級 / 株式会社LIKE TODO JAPAN製薬 代表取締役 / 神奈川県未病産業研究会会員 / 日本乳酸菌学会会員 / 日本食品免疫学会会員 / フードメディシンネットワーク会員 / バッチ財団登録プラクティショナー(BFRP)