2019年03月07日

■糖質脂質の消化について【小野池ペット栄養管理士】vol.14

前回に続き、とても身体に負担のかかっている消化について考えてみます。今回は糖質と脂質についてです。

糖質が胃に入ると、「糖反射」といわれる現象があります。糖反射を起こす分量は、胃腸の浸透圧と同じ濃度(5.4%)以上の糖液で15cc以上の時だそうです。

人間の場合の実験では、胃の蠕動運動が数分間、著しく弱くなる現象です。糖が胃の中に入ると胃の活動が停止したり、微弱になるのです。濃度の濃い糖質は、胃腸内で消化できるまで薄められるのに、1時間以上かかるので胃もたれの原因になります。胃もたれや胸やけといいますと、油っこいものも同様だそうです。原因は油ではなく、一緒に食べたお米や麺類、パンが原因だそうです。

肉食動物よりの雑食であるワンちゃんやネコちゃんも容易に胃の正常な活動が妨げられることになると考えることが出来るでしょう。そして、人間同様にワンちゃんやネコちゃんに糖質や添加物として糖質が含む食品を与え過ぎないように気を付けなければならないと思いました。糖類は食品を柔らかくしたり、嗜好性や保存性を高くするために使われています。特に白糖やブドウ糖、液糖は要注意です。骨を弱くもします。

ワンちゃん、ネコちゃんは甘味が好きな動物でもあります。もし、嗜好性や健康のために甘みを加えたいのでしたら、ハチミツやすり下ろしたリンゴがおすすめです。

そして、前回の超消化し辛い炭水化物、消化に良いタンパク質、そして今回の糖質や脂質の状態から言えることは、人間やワンちゃん、ネコちゃんともに、動物性のタンパク質が消化に良いという結論になります。

食材で言えば、お肉、お魚、卵、100%生乳ヨーグルト(無糖・低脂肪)、チーズ(塩分控えめのものを少量)が理想的です。お肉は脂が気になるので、赤身の方が良いと思います。特に胃腸が弱い高齢や病中のワンちゃん、ネコちゃんには卵がおすすめです。食欲が無い場合、温泉卵を冷ましたものだと食べてくれることが多いです。

ワンちゃんの手作り食の基本形で言いますと、メインのたんぱく質に消化酵素として旬の葉野菜と果物をミキサーなどでスムージーにして少量(全体の10~20%)をビタミン補給として入れてあげてください。芋、蓮根、カボチャ、大根、カブ、ニンジンなど、根菜類を与える場合、加熱してエネルギー源の補助としてあたえます。

写真の3色弁当は、我が家のゴウが食べている手作りごはんです。お肉(3.5割)と内臓(1割)と骨類(0.5割)が全体の5割、2.5割が葉野菜や果物、2割が根菜類、残りの0.5割以下がトライプやヨーグルトになります。他にも魚油(オメガ3)やハーブを、そのこのライフステージに合わせて与えます。

そして、この色がきれいに別れているのには訳があります。見た目は人間の満足に思えるかも知れませんが、とても重要です。人間より数が少ないですが、犬や猫にも味覚はあります。何を先に食べたか、順番を観察してください。真中にある濃い緑がトライプですが、通常は先にトライプを食べるワンちゃんが多いです。その後は、個々の好みがあるようにも感じます。それぞれ味が違います。その味の違い、舌触りの違い、噛みごたえ等、五感を働かせ、脳への刺激が健康へも繋がっています。

今回ご紹介したのは我が家のゴウの年齢や生活スタイルを考慮したレシピで、基本形です。皆さんのワンちゃんやネコちゃんの年齢や生活スタイルに合わせてアレンジしてみてください。

【小野池ペット栄養管理士】

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小野池智香

ペット栄養管理士 小野池 智香

愛玩動物飼養管理士1級 / 株式会社LIKE TODO JAPAN製薬 代表取締役 / 神奈川県未病産業研究会会員 / 日本乳酸菌学会会員 / 日本食品免疫学会会員 / フードメディシンネットワーク会員 / バッチ財団登録プラクティショナー(BFRP)