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■酵素の働きの話【小野池ペット栄養管理士】

ようやく秋の兆しが感じられる、涼しい陽気になってきました。飼い主様同様に犬や猫が元気で過ごせるのが何よりですね。我が家の犬は涼しくなると喜び、猫は寒いと怒っています。よく考えますと、そう全ての生き物が快適だと感じられる日というのは、なかなかないようです。涼しくて、湿度が低い、そして日向ぼっこ日和が理想です。

さて、今回は「酵素」の話です。
発酵食品や酵素食品という言葉を1度は耳にした方も多いのではないでしょうか?

毎日、元気に過ごすため、食物を構成する「タンパク質や炭水化物、脂質」といった栄養素は大切なエネルギー源ですが、そのままでは体の中に吸収することはできません。人間も犬も、本来は消化器官(臓器)などでつくられる消化酵素が栄養素を吸収可能な形に分解してくれます。「酵素」は食物の消化を補助する働きと、老化のプロセスをゆっくりさせる機能があると言われています。

犬は、糖質とタンパク質等を同時に与えられると、一度にいろいろな栄養素を消化するための酵素を体内で作ることになり、膵臓などにも負担をかけてしまいます。なので、いろいろな成分が一緒に入っている加工フードには「食物酵素」を加えてあげる必要があります。

また、シニア犬は胃腸の消化力が弱くお腹をこわしやすく消化吸収力が落ちています。食物アレルギー疾患には、食餌に「酵素」の多く含まれている食材やサプリメントを意識的に毎日与えていただくことをおすすめします。パピーであっても遺伝的に酵素の生産が少ない場合にも適しています。特に多量の便をしたり、便に明らかに未消化の脂肪があったり、食糞をしたり、食欲があるにも関わらず、やせ過ぎだったりするならば、酵素欠乏の可能性も考えてください。

積極的に食物から「酵素」を摂り込むことで、自然食の栄養価を最大限に引き出し、代謝を正常化し適切な体重維持、皮膚や被毛を健やかに保ち、老化予防や感染症の病気に対する抵抗力がつきます。ストレスや関節炎などのトラブルをやわらげることにもつながります。酵素は未知なる働きも多く、生命に欠かせない知られざる有意な可能性を秘めている必要不可欠なものなのです。

これまで「酵素」の多くは体内で生産されると考えられてきたのですが、実はそのほとんどが体外から摂り入れられていることが最近の研究で明らかになったのです。「酵素」の豊富な食材を食べることは、不足した酵素を補いながら、アミノ酸、ビタミンなどの補助酵素も一緒に摂り込むことができます。補助酵素の働きは体内の酵素活動を活発化します。その結果、栄養のバランスがとれ、新陳代謝が活発になり、自然と健康維持につながるというわけです。

食物酵素に熱を加えず生で食べることで、酵素をより多く摂り込まれます。肉食動物である犬や猫の場合、草食動物の胃袋や内臓に詰まった消化酵素たっぷりの栄養素が健康維持には重要な食材となります。

果物や野菜には「酵素」のほか、「フィトケミカル」という有用な物質が豊富に含まれています。ポリフェノール、カテキン、ルテイン、リコピン、カロテン、アントシアニン、インドール、フェノール等は抗酸化作用もあることで知られています。酵素の豊富な植物からは「酵素」とともに「フィトケミカル」の恩恵も受けられるのです。

昔ながらの食餌(スローフード)の犬や猫は、体内において十分な酵素を作り、体外からは生の食材や獲物の消化器官より直接酵素を補給していれば酵素不足といった問題も起こらないと考えられます。ですが今は人間と暮らすことでドライフードなどの加工食品が主な食餌となり、「酵素」を充分に補給することが困難になってきたといえます。加工されたペットフードには、特に消化酵素が不足している商品が多いのが現状でしょう。

十分に酵素が働き、体内での分解(消化)→合成(吸収)→酸化(燃焼)→還元(排泄作用)などが円滑に行われれば、恒常性が保たれるということでもあります。人間もワンちゃんも猫ちゃんも、たくさんの酵素によって健康でいられるのです。

我が家の犬や猫は鹿の胃袋の内容物(グリーン・トライプ)が大好きです。食べた翌日は排泄物が良い感じです。トライプは、消化酵素が豊富に含まれていて、整腸作用もあり、代謝酵素も増加すると考えられます。犬や猫、それだけではなく肉食動物全般に言えるのですが、彼らがトライプを好んで食べるのは、身体が消化酵素を欲しているということなのだと思います。

【小野池智香 ペット栄養管理士】

 

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