新しい年が始まり、はや松の内も過ぎました。身の回りで気づいたことを少し書いてみようと思います。
正月5日、洗濯物を干しに裏庭へ出ると、枯芝の間のそこここにタカサゴユリがすっと伸びて蕾をつけています。この庭では夏から秋にかけて途切れずに咲く花です。ところが秋が過ぎ木枯らしが吹いてもまだ咲き続けて、暮れには4輪咲きを切り花にしてキッチンに飾りました。そして年が変わってもまだ蕾をつけている。これも異変のひとつなのかとググってみました。国立環境研究所によると、タカサゴユリは侵入生物であり、その繁殖力の旺盛さから自然植生に対して悪影響が及ばないよう適宜管理する必要があるとのこと。在来の花ではなかったのです。確かに花が終わった莢の中から夥しい種子が風に吹かれて飛んでいく。我が家の庭で見るようになったのはいつ頃からか。何の手入れもなしで毎年そこここにきれいな花を咲かせてくれる。この花を増やしてはいけないのかとちょっとがっかりしました。研究所の基本情報には花期は7~9月と書かれているのでやはり異変には違いない。そういえば今年の年賀状に米子に住む友人が「まだアキノキリンソウが咲いています」と添え書きしていたことを思い出しました。やっぱり花期が長くなってきているのです。
モヤモヤとそんなことを思いながら裏庭を歩いてみると、西側の月桂樹を刈りこんだ付近にもうフキノトウが顔を出しています。ああ、冬が短い!と思ったことでした。
国道を西へ下って三軒目
タカサゴユリの群れ咲く家です
丹波の朝は一面の霜。玄関を開けると車も屋根瓦も地面も畑も白い。
今日は1月13日成人の日、私は日の差しはじめた畑へ向かいます。この時期、畑には大根、蕪、人参、里芋などの根菜と、白菜、ほうれん草、チンゲン菜、春菊、葱にキャベツにブロッコリーなど葉物が育っています。去年の秋の厳しい残暑の中、種を蒔いたり、苗を植えたりして育ててきたものたち。近隣では残暑による虫害で育たなかった畑も多いと聞いていて、そんな中でも農薬など無縁の栽培を通しています。種蒔く時期をずらすことと、白い覆いだけで虫よけができたことが嬉しい。もう何年もこの畑の野菜をワンちゃんのシチューの材料にしています。ワンちゃんも私の家族も丹波の土の滋味を吸って育った野菜を食べているわけです。
草が萌えだす前に少しでも畝間の草引きをしておくと、春先のジャガイモの植え付けや春野菜の種蒔きなどが楽になるので、今日のように暖かい日差しのある日にはできるだけ畑に入ろうと思っています。すでにスイバの大きな葉が元気に生育中で、ヨモギの葉も見えています。これらは鍬で根を掘り起こす。ホトケノザやナズナ、カタバミなどの葉も地表を覆っていて、削るように鍬を使う。お昼前になると陽の当たる背中がとても暖か。一心に草引き。さてと腰をあげ、よく肥えた大根2本を抜いて持ち帰る。おでんにしようと思います。しゃがんだり中腰の作業は腰に来てなかなか痛いが気分は爽快。大根の葉は別の畑からこちらをじっと見ているトカラ山羊のルルに食べさせ、外気温を測ると11℃。寒中なのに暖かです。ああ、冬が短い!とまた思います。ということは、盛夏の暑さはどうなるのかと怖くなってしまうのです。
思ひ立ち夜の畑に灯をかざし
大根二本ずぶずぶと抜く