悦子さんブログ、今回の執筆はラムの飼い主である あゆが担当します。
ラムは2008年6月20日生まれ。
生後2ヶ月ちょっとで我が家へやってきました。
動物好きの長男(当時4年生)と動物が大の苦手な長女(当時1年生)、まだ動物のことを
好きとも嫌いとも分からない次女(当時4歳)の子育て真っ最中の我が家へ。
ようこそラム!
ミニチュアダックスのブリーダーを始めたばかりの友人の家へ家族で見に行ったときに、
何匹かいたワンちゃんの中で、動物苦手な長女のところへ歩み寄り、
長女もなぜか怖がらずに触れることができたのがラムでした。
3人の子育てをしながら、ラムも一緒に育ってくれました。
家族の間でケンカが勃発すれば、ものすごい剣幕で「わんわんわんわん!」と割って入り仲裁。
夫か単身赴任先へ行ってしまったのがわかると、食欲も落ち、寝てばかり。
病気なのでは?と動物病院へ連れて行くと
「どこも悪くないです。パパがいなくなったショックです」と言われるほどの家族好き。
家族の誰もが、辛いことがあると、ラムを抱き寄せ話しかける。それをただただ寄り添って受け止めてくれる。
いつもいつも、大好きな家族と一緒。
そんなラムの食生活は、我が家へやってきたときは、ブリーダーさんオススメのカリカリフードを
ふやかしてあげていました。が、これ全く食べなかったのです。
犬の食事=カリカリフード
と思い込んでいた私は困り果てました。
いろんなフードを買っては試し、でも食べず。
嫌々仕方なくちょっとだけ食べるラム。
そんな時に父(創業者の前川進吉)が、犬の手作り食の本を渡してくれました。
手作り食?その手があったか!幼い頃に実家で飼っていたワンコは、人間の食事の残りを食べていたではないか。
本を片手に、ササミを茹でたのをあげてみると……
目を輝かせて、今までの食欲不振がウソのように、パクパク食べてくれるではないですか!
その日から1度もカリカリフードは食べたことがありません。
しばらくして、鹿の手作り食、生食に移行していきます。
ある日、乳腺あたりにシコリを見つけました。
当時トライプは与えていませんでした(そんなに食べてくれなかったからあげなくなっていた)。
が、試しにトライプをあげると、今までとは明らかに違う食いつきよう!
その日からトライプトライプ♡と、トライプ大好きちゃんに。
それが、シコリを手術で取り除くと……
不思議なことに、手術当日からまたトライプには見向きもしない状況になったのです。
犬は本能レベルで「今、自分に必要な物」を知っているのだと確信した瞬間でした。
ラムの食事は、基本的に
シカ赤身肉、内臓、骨、トライプ、季節の野菜ペースト
これらを朝晩2回。
おやつは少し、肉や骨のジャーキー。
小さい身体でしたが、あし骨アソート、肩甲骨なんかもバリバリと食べてくれるだけの丈夫な歯や顎を
していました。
鹿の匠丹波の商品は、全てラムの試食を通過しています(中には興味を示さなく食べないものもありました)。
シカさんを毎日食べて健康ではありましたが、ここだけの話♡人間様の食べ物にも興味を示しまくり、
子どもがその辺に置いていた人間用おやつを食べたことも何度かあり、動物病院へ走ったこともあります
(家族みんなで反省しました)。
晩年は、私の働き方に付き合い、奈良の家と丹波の家を行ったり来たり。
最晩年、病気がわかり、いよいよしんどそうになってからは、長年暮らした奈良の家のリビングに、
酸素ルームを作り、その中で過ごしました。
亡くなる数日前までは「鹿バーグ」や「ごちそうスープ鹿肉入り」を食べてくれました。
また、何度も試食をしていた新商品も亡くなる1週間前まで食べていました。
まもなく販売開始します。はじめての手づくり食にもきっと味方になってくれる商品です!
亡くなった日の朝は「あっさり骨髄スープ」をシリンジで飲んでくれました。
酸素ルームに入る生活を始めて約2ヶ月後の11月22日、家族が見守る中、虹の橋を渡りました。
16歳5ヶ月でした。病名は「肺線維症」でした。一旦罹患すると、治らない病気とされています。
やれることは全てやりきった介護生活でしたので、悔いはありません。
亡くなって数日経ちますが、いまだに
「ラムが待ってるから早く帰らなきゃ」
と駅からの帰り道早足になって、ああそうか、もう早足で帰る必要ないんだなと、
思い出し、寂しくなる瞬間があります。
同じく看板犬で去年亡くなったラブラドールのマメ、そしてラム。
2匹とも、その命をめいっぱい輝かせて家族に愛を与えてくれました。
鹿肉を食べ続けてきた2匹からは、学ぶことがたくさんあります。
この学びをお客様へ還元できるよう、それも供養のひとつの形だと感じています。
生前、マメ、ラムに愛の眼差しを向けてくださったお客様に感謝しております。
11月15日から狩猟期も始まりました。
鹿の命、犬の命、それぞれの命に向き合いながら、これからも精進してまいります。
神保あゆ